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「2度目のプロポーズに迷う私」 他人が何を考えているかなんてわからない

 朝日新聞2017年10月29日(日)の声欄より。朝日デジタルで探せないので、全文書きます。

2度目のプロポーズに迷う私 主婦 腰山佑子さん 茨城県 73歳

 その昔、私は恋愛結婚をした。戦争で連れ合いを亡くし、苦労して夫と義弟を育てた義母との同居生活。いつしかそれは義母に絶対服従の関係となった。夫が私をかばってくれることも全くなかった。

 昨夏、義母が107歳で亡くなった。義母に仕え半世紀。夫は80歳、私は72歳となっていた。通夜の晩に夫から2度目のプロポーズ。あの世へ行っても私をさがして結婚すると。すぐには言葉が出ない。あの世まで義母に尽くすなんて。

 私は結婚後も働いてきたが、退職後間もなく難病となり、ステロイド剤などにより生かされている。2人の子どもは独立し、夫との気楽な生活。夫は家事を手伝ってくれ、病気の私にとても優しい。今が幸せで何の不足もないが、まだ夫にはプロポーズの返答をしていない。 

 わかる、よくわかる。

 結局、一人で生まれ、一人で死んでいく。最近特にそう思います。

 親に育てられ、他人と結婚し、子どもを育てました。今までは、だれかと繋がってる感がありました。子どもがある程度成長し、家人とはあきらかに他人なんだとしみじみ思う日が重なるにつれ、「一人」ということを深く思います。いいとか、悪いとかそういうことではなく、この記事を読み、そんなことを考えました。

 ここに出ているご主人、まさか奥様がそんなこと考えているだなんて、夢にも思っていないことでしょう。ときどき手伝って、優しくしているわけですから。50年一緒にいて、このご主人、この奥様のことわかってないわけです。「あの世へ行っても私をさがして結婚する」という言葉、我ながらいい言葉だ、と思っているはずです。この奥様、返答に迷うなんてどれだけいい人なんですか。

 でも、そのご主人の2度目のプロポーズを否定することは、自分の人生を否定することにもなる、とでも考えたのかなあ。  

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