読書生活 

本もときどき読みます

せっかちは治らない

 わたしはせっかちです。映画のエンドロールは見ませんし、会議が終わったあとは誰よりも早く会議室を出ます。

 かといって仕事がはやいわけでもはありません。ただ、つねに何かをしていないと気が済まないという性格で、すき間時間にいつでも読書ができるよう、必ずかばんには本を入れています。もし、本すら読めない状態なら、ブログのネタを考えてノートに書いています。恐ろしくつまらない会議でやることもなかったのでノートをひろげてぼけっとしていたら、ブログのネタが降ってきました。降ってくるブログのネタって、まだかたちになっておらず、ぼんやりとしたけむりのような状態ですぐ消えてしまう。「消える前につかまえないと」と、そのネタのしっぽを追っかけるように意味のわからない文章をがりがりがりがり書いていて、ふと顔を上げるとそこそこの人数がわたしをじっと見ていた、そんなこともありました。

 なかなかネタが降ってくることってないんですけどね。 

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 話がそれました。先日、わたしよりせっかちな人を発見しました。息子のバスケ部の友達、Fくんのおばあちゃんです。お年は75歳くらい。試合が終わってから体育館の入り口に向かうスピードはわたしとほぼ互角です。「なかなかやるな」と思っていました。せっかちライバルです。

 おばあちゃん、バスケ観戦にとても熱心で、どんなに家から離れた会場でも応援にかけつけます。県外遠征などにも来ています。そして、ダッと帰る。

 Fくんのご両親も熱心で、毎回来てビデオ撮影しています。あれ?おばあちゃん、いつも一人で体育館を出ていきますが、どうやって帰っているんでしょう。ご両親も来てるのに一人で帰る。ご両親、車で来てるのに一人で電車に乗って帰る。なぜ?仲があまりよくないのかな?とかんぐっていましたが、違いました。

 じつは、おばあちゃん、とんでもなくせっかちなんだそうです。おばあちゃん、Fくん一家の隣におじいちゃんと住んでいます。Fくんの両親(おばあちゃんにとっては息子夫婦です)が「一緒に行こう」と誘うのですが、断るのだそうです。

 理由は単純明快です。Fくん一家の支度が遅いからだそうです。帰りも、試合後のグダグダ感がどうしてもいやだから一人で帰る、というのだそうです。気持ちはわかりますよ。ただ、会場が近所ならまだいいのですが、電車で二時間、しかもその後バスに乗り換えなければ行けない会場でも、おばあちゃんは一人で公共交通機関を使って行きそして帰ります。

 たいていは、後から車で出る両親の方が会場に着くのは早い。おそらく帰りもそうでしょう。「おばあちゃん、車の方が絶対速いから!」とみんな言うのですが、でも、おばあちゃんは電車で行く。東京まで行くときにも、新幹線を30分待つなら今来た鈍行に乗る。最終的には新幹線の方が断然早いのに、数十分が待てなくて鈍行に乗る。

 電車に乗って動いていればいいんだそうです。何もせず、待っている状況に我慢できないとのこと。そこはわたしと同じです。でも、そのメンタルと体力のタフさがわたしと全く違う。ストイックなんですよ。お母さんいわく、走って休憩、走って休憩だったら、ずっと歩き続けるタイプだと。

 それはすごい。マンボウでしたっけ。止まったら死んじゃうから寝ているときも泳いでいる魚。上には上がいるものです。わたしは、待ち時間は座って読書をして、新幹線を待つタイプです。

 ちなみにおじいちゃんは、いつも一人で家で待っています。 

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