読書生活 

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「が」を使ってはいけないわけ 『「分かりやすい文章」の技術』藤沢晃治

 句読点を上手にうつにはどうしたらいいか悩んでいました。

 いろいろな本を漁って調べているうちに、おもしろいものを見つけました。紹介します。『「分かりやすい文章」の技術』藤沢晃治さんです。

 この本には、

  • 要点を先に、詳細は後に書く。
  • 長い文章では、まとめを書く。
  • 比喩を使う。

などの文章技術がのっています。当たり前のことじゃないか、と思う方には必要ないかな。

 私が感銘を受けた技術は次の2つです。

 1つ目は、

センテンスを短くするために、「が」を使わない。

というものです。

 センテンスを短くする、というのは私も意識しています。そのために、「が」を使うな、というのは新鮮でした。

 「が」には、逆接の「が」と順接の「が」があります。逆接の「が」は「しかし」で区切ると言います。

 こんな感じです。

 私なら、その技を二週間も練習してきたので、もちろん簡単にできると思いました、息子がどうしても自分で試したいとしつこく言うので、させてみました。

この中の「が」逆接ですね。「しかし」で区切ります。

 私なら、その技を二週間も練習してきたので、もちろん簡単にできると思いました。しかし、息子がどうしても自分で試したいとしつこく言うので、させてみました。

すっきりしました。

 次は、順接の「が」です。順接の「が」は捨てて丸をうてと言います。

やってみます。

 カナダに対しては、その森や湖など、自然の美しさに対する憧れは以前から持っていました、実際に移住してみると、まさに私の憧れ通りの国であることを実感したのです。

 長いです。このような「が」は取れ、と言います。やってみます。

 カナダに対しては、その森や湖など、自然の美しさに対する憧れは以前から持っていました。実際に移住してみると、まさに私の憧れ通りの国であることを実感したのです。

 なるほど、なくても平気です。とにかく「が」は疑ってかかった方がよさそうです。

 2つ目は、長い修飾語とその扱い方についてです。

 藤沢さんは、「長い修飾語は使うな」と言います。長い修飾語とは何か、例を挙げます。

大杉さんは、去年、奥さんといっしょにアメリカの大学へ留学した斉藤さんの、高校時代の友人です。

 こんな感じです。修飾語というと、「美しい」とか「大きな」とかその手の言葉をイメージしますがそうではありません。ここでは「去年、奥さんといっしょにアメリカの大学へ留学した」このような部分のことを指します。

 この手の文では、長い修飾語を述語部分にもってきて、2文に分けろ、と言います。

斉藤さんは、去年、奥さんといっしょにアメリカの大学へ留学しました。大杉さんは、その斉藤さんの高校時代の友人です。

 こんな感じです。なるほど。

 これほどではなくても、長めの修飾語というものを私たちはよく使います。こういう文章です。

彼女は、大雨の日ではあったが、弟と一緒にプールに行った。

 少し、わかりづらいです。「大雨の日ではあったが」という部分が修飾語です。こういう場合、「修飾語を前にもってこい」と藤沢さんは言います。すると、こうなります。

大雨の日ではあったが、彼女は弟といっしょにプールへ行った。

 どうですか?ずいぶんよくなったように感じませんか?。長い修飾語は前にもってくる。今までの私のブログを読み返すとあるんですよね、こういう文章。

 例えばこれ。 

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  題が「妻が、運転違反で警察官につかまって泣いて帰ってきた」とあります。この場合、「運転違反で警察官につかまって」が、就職語になります。長いのでこれを前に持ってくると‥。

「妻が、運転違反で警察官につかまって泣いて帰ってきた」

「運転違反で警察官につかまった妻が、泣いて帰ってきた」

となります。「つかまった」と「妻」の距離が短く言いづらい印象はあります。しかし、長い修飾語を前にもってきている後者のパターンの方が読みやすいと感じました。 

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