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誰でも書ける!読書感想文の書き方 『必ず書ける あなうめ読書感想文』

 読書感想文が嫌いでした。本を読むのは好きなので、夏休みに入る前には毎年読み終わっていたのですが、夏休み最終日になっても、原稿用紙は白いまま。毎年でした。

 あれから30年たちましたが、世の中には読書感想文という悪習がいまだに残っていて、私の息子も当時の私と同じ状況に陥っています。と言っても、彼は本も読まずに夏休み最終日、白い原稿用紙の前に座っているので、私とは少し違いますが。

 小学生に読書感想文を強制することは、百害あって一利なし、と私は思います。読むのと書くのは別ですからね。「本好きにしたい、本を読ませたい、読書感想文を宿題にしたら、読まざるを得ないだろう」こういう発想でしょうが、これでは、読書感想文から解放されたら本を手に取ることはなくなると思います。

 とにかく、読んでいない息子に読書感想文を書かせるためにはどうしたらいいか。二人でネットで「楽に感想文が書ける方法」を検索しました。すると、私たちのように、読書感想文に困っている人がたくさんいることを知りました。出てくる出てくる、たくさん出てきます。

 今日は、その中でも一番だったものを紹介します。あきれるほどに素晴らしいです。

 『必ず書ける あなうめ読書感想文』

 小学生向けであるこの本は、そのタイトルのとおり、空欄に適当な言葉を入れて感想文を完成させるという、とんでもないシロモノです。

 こんな感じです。

(①     )を読んで

(②     )は、なんて

(③                              )

だろう。これが、読み終えたときに、最初に感じたことです。まさか、

(④                              ) 

とは思ってもいませんでした。

 基本的に、こんな感じです。最初の空欄①には本の名前を入れます。「うさぎとかめ」を例にしています。

 次の空欄②には、登場人物を入れます。「うさぎ」とします。

 三番目の空欄⓷には、②の人物について思ったことを書きます。例としては「ばかなことをしてしまった」と書きます。

 四番目の空欄④には、②の人物がした行動を書きます。「競走の途中で寝てしまう」という感じです。

 ここまでをまとめると、こういう感じになります。

 

『うさぎとかめ』を読んで

「うさぎは、なんてばかなことをしてしまったんだろう」

 これが、読み終えたときに、最初に感じたことです。まさか、競走の途中で寝てしまうとは思ってもいませんでした。

 

 なるほど、上々の滑り出しです。

この方法にしたがえばいくらでも書ける、として

「(ももたろう)は、なんて「ゆうかん」なんだろう」

「(メロス)は、なんて「ともだち思い」なんだろう」

「(アリババ)は、なんて「運がいい」んだろう」

このような応用例を上げています。

 この監修者は、なんて恐ろしい方法を思いついてしまったのでしょう。この方、教師のようです。まさか、現場の教師が、空欄を埋めるだけで感想文が書けるなどという安易な方法を推奨するとは、思ってもいませんでした。

 こういう穴埋めになれてしまった小学生が、中、高、大学と進むかと思うと、恐ろしくなります。こういったパターンを使って、目前に迫った課題をとりあえず提出する。その時は便利でしょうが、あとで困ることになるのでは?

 少なくとも、これでは自分の文体が形成されません。パターンになれてしまうと、それを訂正することが難しくなります。「大人になったら自分で書けるようになるだろう」と考えるのは大間違いです。借り物の文体で、生涯下手でワンパターンな文章を書いていくことになりかねません。

 しかし、背に腹は代えられません。結局私たち二人は、この方法を採用し感想文を書き上げることができました。文句を言うなら使うな、と怒られそうです。