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社会へ出るあなたへ

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 数年前の4月、私の職場でこんなことがありました。

 社会人二年目の女の子が、髪の毛をけっこう明るめの茶色にして出勤してきました。困ったなあという上司が、その子を呼び、

「その髪の色、いかがなものか」

と声をひそめて注意しました。すると、

「私の内面を見てくれていないのですか」

とその子が言ったわけです。いやあ、びっくりして、私。その上司、いい人なんですよ。だからかなあ、その女の子、言い返したわけです。続けざまに、

「そんなに派手じゃないと思いますけど」

と。場がひりつきました。

 そうしたら、職場のお局様が、

「何言ってるの?」

「だって、あなた、去年の新規採用のときは、きれいな黒髪だったでしょう。それを何、秋頃パーマかけたよね。そして、この茶髪!中学生みたいなことしてるんじゃないわよ!少しずつ少しずつそうやって自分へのルールを甘くして。何なのそれ!」

 我が職場のお局様、ラスボスってやつですか。その子、一気にしゅんとしちゃって。この様子を見ながら二つのことを考えました。その二つを新社会人のあなたへおくらせていただきます。

 一つは月並みですが、「郷に入っては郷に従え」です。何事も絶対的な基準などありませんから、迷った時は、その会社に定着したルールというものがあり、それに合わせるのがよしです。その集団がその行動を好まないのであればやめた方が無難です。無用のいざこざを避け、時間を節約するための知恵です。

 もう一つは「覚悟があるなら好きにやれ」です。自分を通す以上、どんな面倒や批判があろうと、すべてを自身で引き受けていく。その覚悟さえあれば、私はすすめませんが応援はします。

 先にあげた女の子の場合、どっちつかずがいけませんでした。茶髪ならガツンと茶髪で通せばいいのです。ラスボスにひるんではいけません。しかし、「内面も…」と言いたい気持ちはわかりますが、その願いはたいていかないません。人格や内面は見た目ではわからないからです。だから、人はとりあえずあなたを見た目で判断するし、それも当然です。一年間その子と職場は一緒でしたが、わかりませんよ。そう簡単に人のことなど。