読書生活 think it over

本や新聞を読んでいます

「無」の境地で妻を待つ 人を待つということ 『態度が悪くてすみません』内田樹

私はせっかちな人間で、人を待つのも待たせるのも苦手だということを以前書きました。 yama-mikasa.hatenablog.com 特に待たされることが嫌いです。「お前みたいなもん、おとなしく待っとけ」と言われている気がするからです。考えすぎですか?私だけじゃな…

「忖度」って? 朝日新聞より 

「忖度」という言葉の特集が組まれています。4月30日の朝刊です。 www.asahi.com 「忖度」という言葉についての意見や解釈について、7人の読者の意見を述べています。共感できた2人の方の投稿を紹介します。 流通業界で仕事をしていますが、忖度しながら…

「宿題 なぜ子どもだけに」 子どもの疑問 

5月5日は「子どもの日」です。朝日新聞の読者投稿欄では、子ども特集が組まれていました。みんなそれぞれ個性的でおもしろい。その中で、私の一番のお気に入りを紹介します。 「宿題 なぜ子どもだけに」 11歳の小学生の投稿です。 私はぎ問に思います。…

誰かうちの娘を夜這ってくれ! 『菜の花の沖』司馬遼太郎

「若衆組」って知ってますか? 江戸時代から大正初期ごろまで、西日本にあった組織です。組織というと大げさですが、今でいう「消防団」に近いかな?一定の年齢に達した男子はみなその組織に入り、おとなになるための教育のすべてをうけます。 若衆組に入る…

宮本武蔵が機動隊を圧倒している 『宮本武蔵』司馬遼太郎

最先端のクローン技術によって甦った宮本武蔵が、武装した中国拳法の達人を一刀両断し、恐竜と同程度の戦力を持つ野人を退け、完全防御の機動隊員を盾ごと切り刻んでいます。週刊少年チャンピオン連載中の人気漫画「バキ」での話です。 実際の武蔵はどれほど…

「緑」と「翠」と「碧」の違い みどりのあれこれ

5月4日が「みどりの日」だと最近知りました。 4月5日の朝日新聞に「みどりの恵み」という記事がのっていました。日本色彩研究所の名取さんという方の記事です。 名取さんによりますと、「みどり」はもともとは色の名前ではなく、みずみずしく生命力あふ…

仙人本ブーム到来 『九十歳、何がめでたい』佐藤愛子

『九十歳、何がめでたい』という本が売れています。 黒柳徹子さん、瀬戸内寂聴さん、冨士眞奈美さん、安藤優子さん、辻村深月さんも、みなさん笑って泣いて大絶賛。 御年九十二歳、もはや満身創痍。愛子センセイが放つ「いちいちうるせえ」ほか怒りの書 この…

長い修飾語は使うな!文章力が上がるちょっとしたコツ。 『「分かりやすい文章」の技術』藤沢晃治

句読点を上手にうつにはどうしたらいいか悩んでいました。 yama-mikasa.hatenablog.com いろいろな本を漁って調べているうちに、おもしろいものを見つけました。紹介します。『「分かりやすい文章」の技術』藤沢晃治さんです。 この本には、 要点を先に、詳…

男は騙されたふりをしていただけだと思う

詐欺罪で手配中だった62歳の日本人女性がタイで逮捕された事件、インパクトありましたね。被害にあった方には気の毒でなりませんが、うちの職場はあの女性の話題で一時期盛り上がりました。 私の職場は、20代~50代までの幅広い年代の男女が日々汗を流…

『海の史劇』 吉村昭

戦前の日本の評判がよくありません。特に、昭和初期から太平洋戦争敗戦に至るまでの、日本の外交や戦略の酷さは目を覆いたくなるほどです。しかし、この『海の史劇』を読むと、これが太平洋戦争を引き起こしたあの日本と同じ国なのか、と首をひねりたくなる…

没後20年 司馬遼太郎展「21世紀 未来の街角で」

わくわくがとまらないぞ。 今日、妻と横浜そごうに行きました。全く価値観の異なる二人、横浜に着いたら別れ、数時間後に本屋で待ち合わせというパターンが多いです。今日もそのコースで待ち合わせ、横浜そごうで夕食用の弁当を買いました。そごうの出口にそ…

イチローも言ってるぞ!仕事は辛いんだ。『会社に行きたくないと思った時に読む本~心が軽くなる言葉90~』

「仕事は嫌なものなのだ」という持論をこのブログで展開しています。 yama-mikasa.hatenablog.com ところが、仕事にやりがいを求める人がいるのも事実でして… yama-mikasa.hatenablog.com 今日、コンビニで『会社に行きたくないと思った時に読む本~心が軽く…

なぜ、有吉さんやマツコさんは炎上しないのか?

ネットで炎上する有名人が多いようです。古くは、テレビ番組「逃走中」で自首し賞金を手にしたドランクドラゴンの鈴木さん。最近は、不倫をすっぱ抜かれて政界進出を断念した乙武さんなど。 しかし、世間には毒舌でありながらあまり炎上しない有名人もいます…

どこに点をうてばいいの?

いつも文章を書くとき悩みます。どこに点をうったらいいのかな、と。うまい方法を調べてみましたが、決定打にかけます。 近現代文学専攻の石原さんは、 点は文節ごとにうつものではなく、意味のまとまりごとにうつものだ。 と言います(『大学生のための論文…

「君が代」が国歌になるまで 『司馬遼太郎の考えたこと 4』司馬遼太郎

内田樹さんの本で、このような記述を見ました(『日本辺境論』)。 国家は儀礼上必要欠くべからざるものです。「君が代」の歌詞も古歌のうちからなかなかよいものを選択したと思っています。旋律についてはどうしてこんな旋律になったのか経緯を教えてもらえ…

三島由紀夫の自決について、司馬遼太郎が思ったこと 。『司馬遼太郎が考えたこと 5』司馬遼太郎

司馬遼太郎(1923 - 1996)と三島由紀夫(1925 - 1970)、ともに日本を代表する作家です。司馬は多くの歴史小説を通じて「国民作家」と言われるまでになった大作家であり、三島由紀夫もノーベル文学賞候補にもなった作家であり思想家です。 同年代を生きた作…

誰でも書ける!読書感想文の書き方 『必ず書ける あなうめ読書感想文』

読書感想文が嫌いでした。本を読むのは好きなので、夏休みに入る前には毎年読み終わっていたのですが、夏休み最終日になっても、原稿用紙は白いまま。毎年でした。 あれから30年たちましたが、世の中には読書感想文という悪習がいまだに残っていて、私の息…

他者からの評価を仕事の目的にしてはいけません 『下流志向』内田樹

仕事に対する不満がたまっていた時期がありました。こんなはずじゃなかった、もっとやりがいのある仕事だと思っていた、そういう些末なものです。この思いにずいぶん苦しめられましたが、ある本を読み少し気が楽になりました。内田樹さんの『下流志向』とい…

『友達以上不倫未満』ってなんなんだ  恋に憧れるお母さんへ 『友達以上不倫未満』秋山謙一郎

浮気でなく本気、しかし決して男女の関係は持たない−そんな大人のプラトニック・ラブな紺外関係「背感ド・パートナー〉の実態を徹底取材。数々の赤裸々なケースが、男女間の愛と嫉妬の原理をもあぶりだす問題作。 だそうです。『友達以上不倫未満』秋山謙一…

読書はしないといけないの?2

朝日新聞(3月8日)の読者欄に、「読書はしないといけないの?」という大学生からの投稿が掲載されました。この投稿がとても気になり、わたしなりの読書に対する考え方をこのブログに書きました。 yama-mikasa.hatenablog.com この大学生からの投稿には、…

「思う」について思うこと 上手な文章の書き方

文末を「思う」で締めるのはよくないと聞きます。「思う」は腰の引けた無責任な表現だと言われます。「です」や「ます」を使うようにハウツー本には書いてあります。 でも、自分の考えを常に「です」や「ます」、さらには「だ」などというような断定の文末で…

私の「せっかち」は遺伝でした。年を取れば取るほど、距離を置いているにもかかわらず親に似てくる。 

昔からせっかちで、人を待つのも待たせるのも嫌いです。私の周りにはのんびり屋さんが多く、いらいらすることばかりです。特に妻はのんびりでマイペース。彼女と結婚して15年以上たちますが、彼女を待っている時間の総量は凝縮すると私の人生の中の2年く…

下駄箱に下駄は入れないし、筆箱に筆は入れない

息子の授業参観での出来事です。新規採用の若い先生が、後ろで立っている親に向かって「父兄の皆さん」と声をかけたところ、親の一人が「先生、父兄ではなく保護者ですよ」と言い返したとのこと。 険悪なムードになったわけでなし、そのお母さんも陽気で明る…

「教育勅語を学校でどう扱ったらいいのか」について、各新聞社の主張を比較してみました

「教育勅語」問題について、安倍政権は先月「憲法や教育基本法等に反しない形で(道徳授業の)教材として用いることまでは否定されない」としました。 このことに朝日新聞が嚙みつきました。 www.asahi.com ざっとまとめると、 教育勅語は、憲法が定める主権…

仕事に行きたくないという方へ 『下流志向』内田樹

会議で競争心まる出しの同僚に年若の前で反論される。きれどころのわからない上司の逆鱗に触れ、大勢の前で怒鳴られる。結論を常に先送りにする、あなたはほんとにその気があるの?と思わずにはいられない取引先。入社以降一切笑顔を見せない向かいの席の新…

「自分は変わり者です」という人は自分が好き

自称「変わり者」はたくさんいます。この場合の「変わり者」とは、正確に言えば「自分を変わり者だと信じている人」です。「わたしってちょっと変わっているんです」自分をこんなふうに表現する人は多いです。自分は変わり者で、普通と少し違うと思うのはい…

こう書けば、少しは上手に書評が書けるようになるかも

「読書生活」などというブログを書いているくせに、書評が上手に書けません。「書いてあることを自分のフィルターを通して語る」これがよい書評だと思って書いていました。この「自分のフィルター」というのが個性の出しどころ、と思って書いているのですが…

秀吉と継之助と土方 歴史物が好きなわけ 

歴史物が私は好きです。 最初は面倒で分からない点もありますが、読み進めるうちに粛然としてそこに人物を見つけることがあります。その瞬間が楽しみで仕方がありません。「粛然と人物を見つける」というのは、「知っている」とか「覚えている」とか、そうい…

「12-5」を頭の中でどうやって計算していますか?

いきなりですが、みなさんは、12-5をどうやって計算していますか?ほとんどの人は一瞬で「7」と出ると思います。暗記していますよね。無理矢理考えたらどうなるか、お聞きします。ではいきますよ。 ①12からまず2を引き、12-2は10。10から残…

眼鏡を口ほどにものを言う

「メイプル超合金」の、安藤なつがテレビに出ていました。彼女のおでこにプルンプルンのゼリーを乗せて、顔の筋肉を動かしてゼリーを移動させ、口に入れたら成功というよくわからないチャレンジに挑戦するところでした。そのチャレンジのために彼女が眼鏡を…

新右衛門さんはもういないのか?

明治政府は、10年間という短期間でヨーロッパの文明を日本に無理矢理移植しました。廃藩置県、学制、徴兵令…。その中の一つに、四民平等がありました。武士も町民も農民もなし、みんな同じ、というアレです。今まで限られた人間にしか許されなかった姓(苗…

立ち上がらければいけない時は、立ち上がらなければいけません

私はそんなに怒りっぽい方ではありませんが、人間ですからたまにはドカンとしたくなる時もあります。でも、いい年したおじさんや老人が激高する姿は、見ていて気持ちのよいものではありません。 『「怒り」を消す』という題につられて、備瀬哲弘さんの『精神…

読書はしないといけないの?

先月、「大学生の読書時間0分が5割に」というニュースがありました。 www.asahi.com この記事に対し、「読書はしないといけないの?」という投稿が朝日新聞に掲載されました。 朝日新聞の読者欄には「みなさんはどう思いますか?」というような、他の読者…

無人島から戻ってきたら、妻が他の男と結婚していた。

江戸時代、土佐を出た船が漂流し、とある島にたどり着きます。その島の名は鳥島。東京から600キロ離れた無人島です。船は大破し脱出できず、見渡す限り青い海。船は一艘も見えません。仲間は3人。 アホウドリが主食となりました。羽を広げると2mにもなる大…

今の日本は民主主義の成熟度が試されている 司馬遼太郎と三島由紀夫が1960年代の学生運動を見て感じたこと 

本を読んでいると、「あれ、これどこかで読んだことあるな」と思うことがよくあります。記憶をたどりつつ本棚をあさると、それは大抵同じ作家の場合が多いです。まれに、同じことを別の作家さんが書いていることがあります。そういう時、井戸を掘っていたら…

「忖度」が悪いわけではなくて、首相夫人が私立学校の名誉校長になったことが問題なのだ

www.asahi.com 「他人の心中をおしはかること」これは、問題だと思うか(悪いことだと思うか)と聞かれたら、大半の方が、問題だとは思わない(悪いことだと思わない)と答えると思います。私も、そう思います。 この一連の森友学園騒動で、初めて私は「忖度…

学生時代に読んでおけば今頃違った人生を歩んでいたかもしれない 「大学生の論文執筆法」石原千秋

文章の書き方のハウツー本かと思って読んでみたのですが、癖が強い(笑)!。大学教授である石原さんが、目の前を通り過ぎていった多くの学生と、彼ら彼女らが石原さんに提出したレポートへの憤りをもとに、文章の書き方を微細かつ具体的かつ愛情たっぷりに…

「寧為鶏口、無為牛後」 かっこいい言葉

寧(むし)ろ鶏口(けいこう)と為(な)るも牛後(ぎゅうご)と為(な)る無(な)かれ 中国のことわざ、格言です。「牛のお尻より、鳥の口となるほうがいい」というのですが、「大きな組織の末端よりも、小さな組織のトップになりなさい」という意味のよう…

新年度初出勤の朝   

地下鉄に乗りました。意外に空いていました。その車両の乗客はたった二人、私の前には初老の女性が一人座っているだけでした。発車のベルが鳴り、鞄から読みかけの本を取り出そうとしたとき、一人の女性があわてて駆け込んできました。そして、ふうっとため…

整形手術マニュアル  

百田尚樹さんの「モンスター」という本を読んで以来、整形手術について興味をもっていました。そこで、整形手術のマニュアルを作成するつもりで「モンスター」を徹底的に微細に注目しながらもう一度読んでみました。 1:手術前の顔 3:カウンセリング 4:…

読書に没頭する

どこで本を読むか あらゆる場所で、人は本を読んでいます。静かな場所、にぎやかな場所、屋内、屋外、それこそ様々なところで本を開いている人の姿を見ることができます。 シーンという耳鳴りみたいな音が聞こえてきそうな静かな図書館でないと落ち着いて本…

アカギの最終回

アカギが終わってしまいました。 「アカギ」とは、福本伸行先生による麻雀漫画です。『近代麻雀』で30年近く?連載していたわけだが、とうとう最終回を迎えてしまいました。 アカギが鷲巣という日本の巨悪とガラス牌を使って一晩麻雀をするわけですが、そ…

社会へ出るあなたへ

数年前の4月、私の職場でこんなことがありました。 社会人二年目の女の子が、髪の毛をけっこう明るめの茶色にして出勤してきました。困ったなあという上司が、その子を呼び、 「その髪の色、いかがなものか」 と声をひそめて注意しました。すると、 「私の内…

剣の達人 「たそがれ清兵衛」 藤沢周平

「たそがれ」とか「うらなり」とか「だんまり」とかあだ名される冴えない男が主役。強さと情けを備えた魅力的な男であるギャップが格好いいですね。 どの短編集も、主人公の周りの人間の出世欲が凄い。これで対立軸がはっきりして、主人公のさえなさ加減が浮…

肉体的コンプレックス

物心ついた時から、私は背が低かった。小学校は6年間ずっと先頭だった。よく言う「前へならえ」で、私は手を挙げたことがなかった。私は前にならったことがなかったことになる。私は前へならわず、私はいつも、みんなからならわれる「前」だった。 中学でも…

読書のすすめ 未来形の読書術「石原千秋」

どうして読書をした方がいいの? 先月だったか、「大学生の読書離れが進む」というような記事がありました。 記事によると、 1日の読書時間が「ゼロ」と回答したのは49・1%で、現在の方法で調査を始めた2004年以降、最も高かった。平均時間も24・…

社説読み比べ

病院に行きました。待合室で新聞を読みました。読売新聞でした。我が家は朝日新聞なので、興味深く社説を読み驚きました。 www.yomiuri.co.jp 見出しは「非科学的な地裁決定が覆った」とあり、読むと、 大津地裁は、関電による説明が不十分だと決めつけ、運…

駐車場にて

昨日のこと。 近所のスーパーが混んでいました。 駐車場も満杯で、駐車待ちの車で10台ほどの列ができていました。 前の車に続いて、駐車場内にどんどん進みます。 すると、私が運転している車の左横に駐車していた車に、買い物を終えた人が戻ってきました。 …

原子力発電所はいらない

いまさらですが、原発はいらないと思います。 国や企業は原発をなくしたくないようです。小熊英二さんは、「社会を変えるには」でこう言っています。 原発をやめると決めれば、一基二千億円から五千億円ほどの施設が、維持費と廃炉費用だけがかかる不良債権…

自分にあった仕事って

www.asahi.com もうすぐ4月、初出勤の人もいるでしょう。今頃ドキドキしているのかな? 山口智子さんが、いいこと言ってます。この記事は、「国際女性デー」特集で、女性へのメッセージになっていますが、新社会人のみなさんにも通じることがあります。 「最…