読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

歴史

付和雷同体質 『超国家主義の論理と心理』丸山眞男

「誰と親しくすればよいのか」という嗅覚に優れた方、います。私も苦手ではありません。自分自身の判断より、その場を支配している空気を察しようとします。その空気を醸し出している人を探しそういう人に判断を委ねようとします。私のこういう「付和雷同体…

『坂の上の雲』 司馬遼太郎

全8巻。司馬さんの作品の中では、一二を争うお気に入りです。日露戦争当時の日本を熱く描いています。 この時代の世界状況について、司馬さんはこう言っています。 19世紀からこの時代にかけて、世界の国家や地域は、他国の植民地になるか、それがいやな…

西郷どんは専用の睾丸入れを愛用していた 『翔ぶが如く』司馬遼太郎 

来年の大河ドラマの主役、西郷隆盛。西郷どんの活躍を描いた司馬作品が、この『翔ぶが如く』です。すでにこの作品は大河ドラマになっています。確かそのときの西郷は西田敏行だったかな。 この作品の中には、あまり知られていない西郷情報がつまっています。…

生きる目的を探すために生きる 『司馬遼太郎が考えたこと 2』司馬遼太郎

すべての人が自由で平等であるべきだ、とのたてまえが当たり前になったのはつい最近のことです。人類は長い間、人は生まれながらに身分の上下があるという社会で生きてきました。身分制はもちろん今の常識に照らせばよくないですが、社会の安定には相当に貢…

太平洋戦争の時には暗号として鹿児島弁が使われたことがあるのだそうです 『深海の使者』吉村昭

「カジキサー。ヨシトシノオヤジャ モ モグイヤッタドカイ」 この意味わかりますか? 太平洋戦争当時、日本はドイツ、イタリアと同盟を組んでいました。しかし、ヨーロッパとアジアは遠く、その通信や物資の搬送は連合国軍に阻まれ、難しい状況に置かれます…

誰かうちの娘を夜這ってくれ! 『菜の花の沖』司馬遼太郎

「若衆組」って知ってますか? 江戸時代から大正初期ごろまで、西日本にあった組織です。組織というと大げさですが、今でいう「消防団」に近いかな?一定の年齢に達した男子はみなその組織に入り、おとなになるための教育のすべてをうけます。 若衆組に入る…

宮本武蔵が機動隊を圧倒している 『宮本武蔵』司馬遼太郎

最先端のクローン技術によって甦った宮本武蔵が、武装した中国拳法の達人を一刀両断し、恐竜と同程度の戦力を持つ野人を退け、完全防御の機動隊員を盾ごと切り刻んでいます。週刊少年チャンピオン連載中の人気漫画「バキ」での話です。 実際の武蔵はどれほど…

『海の史劇』 吉村昭

戦前の日本の評判がよくありません。特に、昭和初期から太平洋戦争敗戦に至るまでの、日本の外交や戦略の酷さは目を覆いたくなるほどです。しかし、この『海の史劇』を読むと、これが太平洋戦争を引き起こしたあの日本と同じ国なのか、と首をひねりたくなる…

没後20年 司馬遼太郎展「21世紀 未来の街角で」

わくわくがとまらないぞ。 今日、妻と横浜そごうに行きました。全く価値観の異なる二人、横浜に着いたら別れ、数時間後に本屋で待ち合わせというパターンが多いです。今日もそのコースで待ち合わせ、横浜そごうで夕食用の弁当を買いました。そごうの出口にそ…

「君が代」が国歌になるまで 『司馬遼太郎の考えたこと 4』司馬遼太郎

内田樹さんの本で、このような記述を見ました(『日本辺境論』)。 国家は儀礼上必要欠くべからざるものです。「君が代」の歌詞も古歌のうちからなかなかよいものを選択したと思っています。旋律についてはどうしてこんな旋律になったのか経緯を教えてもらえ…

秀吉と継之助と土方 歴史物が好きなわけ 

歴史物が私は好きです。 最初は面倒で分からない点もありますが、読み進めるうちに粛然としてそこに人物を見つけることがあります。その瞬間が楽しみで仕方がありません。「粛然と人物を見つける」というのは、「知っている」とか「覚えている」とか、そうい…

新右衛門さんはもういないのか?

明治政府は、10年間という短期間でヨーロッパの文明を日本に無理矢理移植しました。廃藩置県、学制、徴兵令…。その中の一つに、四民平等がありました。武士も町民も農民もなし、みんな同じ、というアレです。今まで限られた人間にしか許されなかった姓(苗…

無人島から戻ってきたら、妻が他の男と結婚していた。

江戸時代、土佐を出た船が漂流し、とある島にたどり着きます。その島の名は鳥島。東京から600キロ離れた無人島です。船は大破し脱出できず、見渡す限り青い海。船は一艘も見えません。仲間は3人。 アホウドリが主食となりました。羽を広げると2mにもなる大…

今の日本は民主主義の成熟度が試されている 司馬遼太郎と三島由紀夫が1960年代の学生運動を見て感じたこと 

本を読んでいると、「あれ、これどこかで読んだことあるな」と思うことがよくあります。記憶をたどりつつ本棚をあさると、それは大抵同じ作家の場合が多いです。まれに、同じことを別の作家さんが書いていることがあります。そういう時、井戸を掘っていたら…

籠池理事長と吉田松陰 「世に棲む日々」司馬遼太郎

今朝の新聞(朝日H29.3.24)を見ました。 記事によると、 「~籠池氏は敬愛する幕末の思想家吉田松陰にも言及。設立予定だった小学校の名に首相の名を付そうとした理由を語った。「松下村塾が念頭にありました。同じ長州出身で以前から教育理念に共感してい…

秀吉が将軍にならなかったのはなぜ?「この国のかたち 一」司馬遼太郎

小学生の頃から疑問に思っていました。 「秀吉は天下統一を果たしたのに、どうして将軍にならなかったのか」 信長は、天下統一目前で明智光秀に殺されたから将軍にはなれなかった(と、小学生の私は思っていました)。でも、秀吉はなぜ? 小学校の先生は、 …

土方歳三 「一刀斎夢録(下)」浅田次郎

死んで神となった 土方歳三 沖田、土方、近藤ら仲間たちとの永訣。土方の遺影を託された少年・市村鉄之助はどこに消えたのか。維新後、警視庁に奉職した斎藤一は抜刀隊として西南戦争に赴く。運命のち・竹田で彼を待っていた驚愕の光景とは。百の命を奪った…

天才とは 「一刀斎夢録(上)」浅田次郎

天才とは 沖田総司 「飲むほどに酔うほどに、かつて奪った命の記憶が蘇る」 最強と謳われ恐れられた、新選組三番隊長斎藤一。明治を隔て大正の世まで生き延びた「一刀斎」が近衛師団の若き中尉に夜ごと語る、過ぎにし幕末の動乱、新選組の辿った運命、そして…

沖縄戦 「殉国」吉村昭

戦争と沖縄 一少年兵の始点から、沖縄戦を捉えた物語です。 徹底した虫瞰視点の描写によって、現実の沖縄戦を垣間見ることができます。 沖縄を守るために命を懸けて敵を倒そうと意気込んでいた少年が、わずか二か月で一瞬の死をのぞむようになります。 とに…

高熱隧道 心にゆとりがあるときにどうぞ

160℃の岩盤を破壊するために 昭和14年ごろ、地下にトンネルを掘る話です。まず下に掘り、そのあと横に掘ります。そこそこ順調に工事は進んでいったのですが、最難関区間にてこずります。 まず、そこまで行くのが難しい。下に掘る場所を選定したのでが、そこ…

「峠(下)」司馬遼太郎

維新史上最も壮烈な北越戦争に散った武士の生涯 継之助は、戦争は避けたかった。官軍の強さはよく知っていましたから、戦えば勝ち負けはわからずとも無傷ではいられません。長岡藩の民が多く死ぬことになります。何としても戦いを避ける、そのための官軍との…

峠(中) 落ち込んだ時にどうぞ

盛り上がる中編 長岡藩に戻った継之助は、重職に就き、洋式の新しい銃器を購入して富国強兵に努めるなど藩政改革に乗り出します。 そして、大政奉還へ。 誰もが責任逃れに回り、筋の通った意見を言おうとしません。 そのとき、継之助は言います。 「諸藩は事…

「峠(上)」司馬遼太郎

越後の雄 河井継之助 幕末の英雄、河井継之助の話。1968年刊行とのこと。もっと早くに手に取ればよかったと後悔しています。その分、余計に惑うことなく人生をより充実させることができたはずだと思います。自分の人生を振り返って、あの辛かった時、苦しか…

「燃えよ剣」司馬遼太郎

新選組副長、土方歳三の活躍を描いた作品。「竜馬がゆく」と並び幕末ものの頂点をなす長編、とあるがその通りだと思います。ふぬけた武士ばかりだった幕末、農民の家に生まれ、その時代の誰よりも武士に憧れ、誰よりも武士のように生きた男。命を投げ出すこ…